残りのカツラ材で小さいものを二つ追加しました。


ロコイド軟膏のチューブと「ぐり紋(自分なりの解釈)」
今回の鎌倉彫を題材にするにあたり、以下の考え方を提示しました。
・伝統紋様や過去の彫刻や鎌倉彫作品を調べてそれを模写するように作る
・身の回りにあるものを見つめ直し現代的なモチーフの新作鎌倉彫を作る
過去に戻るベクトルと、「今」を見渡すベクトル、どちらも未来に繋がっていると思うので、どちらかに偏るのではなく、全員の作品が出来上がってそれを展示した時に幅広い作品が並んでいてほしいし、それがやっぱり自然なんじゃないか、というこちらの思いがありました。
それを見本として見せたのが、今回の3点というわけで。
さて、「塗り」なんですが、シンナーを扱う油性塗料は中学2年生という成長期において何らかの影響があるのではないかということを懸念し、候補から外しました。
本物の漆もできるものなら扱わせたいですが、これから気温も湿度も下がっていく時期で乾かないことが心配だったのと、何よりかぶれの問題もあるので候補から外しました。
水性塗料で、うるしの工程が踏めるのではないかと期待してワシンの「水性工芸うるし」を使ってみることに。
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試し塗装で用意した道具 |
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乾燥させるために乗せておくものに一工夫。 カットしたクリアフォルダーに記名してある名刺サイズのカード、 画鋲をプスッと刺して針が出ています。 |
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その針3点以上の上に乗せます しかしその後、ちょうど良いものが見つかったので、このやり方はやっていません |
立体物の塗装で困るのが全面を塗装するためには表側と裏側、2回分の手間がかかる、ということではないでしょうか。45分の授業中に2回分の塗装を行うのは困難で、次の授業は1週間後…となるのが普通です。また、側面を塗る時にも手に塗料がついたり、刷毛から落ちた塗料が机を汚してしまったり…。(40人弱の集団が同時に塗装をする、といった通常ではなかなかありえない状況下での)塗装にまつわる様々な面倒くさいところを乗り越えてまで何かをやらせたい!とならないとなかなかこういった実践が増えていかないのだろうと思います。
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一応今回は裏を塗ってみた |
「蒔き地」や「紛蒔き」など様々な名称で呼ばれていると思いますが、地塗りが乾く前にとの粉を蒔きました。100均の製菓用具コーナーでふるいを買って来て上からふるってみました。
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ふるい に との粉 |
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ふるわなくても全然大丈夫なキメの細かさでした |
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蒔き終わり |
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少し落ち着かせてから刷毛で余計な粉をさっとはらった |
ここで4時間以上乾燥
乾燥後に耐水ペーパーで水研ぎをしたような…。
400番で空研ぎだったかも…。(写真がない)
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中塗りとして「鎌倉赤」を塗る(1回目) |
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4時間後に1000番の耐水ペーパーで水をつけながら研磨 |
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研磨終わり |
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中塗り2回目 |
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2回目の1000番水研ぎ |
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その後1回追加して合計3回の「鎌倉赤」を塗った後、研いでから上塗りとして「朱」を塗りました。 予想以上に明るい色で、1回目では下の鎌倉赤が全然隠れません。 |
水性工芸うるしのボトルにも説明がありましたが「3回くらい塗り重ねてください」とあるように、油性のものよりも1回分の塗膜は薄くなるようです。刷毛塗りの泡立ちも消えにくい感じがします。
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1500番くらいで一度水研ぎしてみたもの(と思われる) |
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その後「朱」を2回追加して、3回分の塗膜 |
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マイクロポリネットシートの1000番で空研ぎをしてみた |
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マイクロポリネットシートの3000番で空研ぎ |
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塗りの工程見本を作ることにした。試しの反省を生かして中塗りを「朱」に。 |
この後、コンパウンドや胴摺粉を試してみる予定です。
また、他の色の組み合わせ(藍と黒、乳白色と緑、赤に古び粉蒔き)も試しているので、後日その2つをまとめます。
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